ピアノの惑星について


 

 ピアノとはなんと魅惑的な存在なのか。
 人が操るひとつの“道具”ではある。
 しかしすばらしいピアニストが触れたとき、
 ふと気がつけば、心はその魅力に完全に支配されている、という。
 「ピアノの惑星ジャーナル」は、
 そんな魅惑のピアノにまつわるさまざまな話題を提供する、おだやかなウェブサイトです。
 独断と偏見で“今アツい!”と思われるアーティストや企画の情報、
 また、演奏会へのワクワク感を盛り上げる情報も発信します。
 毎日どっかしらでなにかしらが起こっている、ピアノの小宇宙を目指します。

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◇管理人◇
高坂はる香(音楽ライター、編集者)
インドの大道芸人のスラム研究→月刊ショパンの人→現在フリーライター、編集者。
クラシックのピアノを中心にさまざまなネタについて文章を書いています。
ピアノや西洋クラシック音楽とインドというすばらしい文化が刺激しあって
何かが生まれる瞬間を妄想しています。


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ショパンコンクール入賞者とおまけ話(1)


ショパンコンクール 、紙媒体むけのちょっと大きめの原稿を全部出し終えたところで、ようやくこちらに余計な話を書く心の余裕が出てまいりました。
ぶらあぼONLINEに、出したい&出さないといけない原稿はまだまだあるんですけどね。

とうわけで、今回は、あちこちに書いてしまった入賞者のインタビューリンクをまとめて紹介がてら、彼らにまつわるゆるい思い出をご紹介します。
このあと審査員関連のハードめの記事がいろいろ出てくると思うので、一旦息抜きに…。

(ちなみに以前から私の書くものを読んでくださっている方は慣れっこだと思いますが、まあまあくだらない話題も多いので、そのつもりでお読みください。でも普段がネタの宝庫の人ほど、音楽もいろんなことが起きておもしろいのよね)

まずは、優勝したブルース・リウさんから。

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先日、さっそく来日リサイタルが行われたので、生の演奏を体感された方も多いかもしれません。
コンクール中にはやっぱり少しおさえていたのね、という、また一層自由自在、次の瞬間に何が起きるかわからない、エキサイティングな演奏でした。

リサイタルの前日にはオンラインで記者会見があったのですが、ここで印象的だったのが、今後ショパンコンクール優勝者としてどう活動していきたい?と聞かれたときのこと。
ブルースさん一言、「ショパンコンクールの優勝者だということを忘れてほしいかな、それだけです、ははは!」(I want people to forget that I’m the 1st prize of Chopin)って答えたんですよ。
で、何せオンライン会見だから当然つっこむひともいなくて、そのままスルー。で、これ、もしかしたら、そのままの意味(優勝者だなんて肩書きどうでもいいとか、騒がれすぎて疲れたとか)で受け取った人もいたんじゃないかって勝手に心配したんですよね。
私としては、ショパン以外の自身が本来得意とするレパートリーにも取り組んでますます認められて、優勝者だからではなく、自分だから聴きにきてもらえるようになりたい、という意味だろう、と勝手に解釈したんですけど。どうかな。(そして考えているうち、結構いろんな含みをもたせたコメントのような気もしてくる)

でもいずれにしても、コンクールからまだ半月のタイミングでこの発言が出るっていうのは、やっぱりすごいし、これまでの優勝者と違う。たくさん受けてきたコンクールのひとつという割り切りというか、変な思い入れのなさというか、よくも悪くもそういうものを感じました。でもそういうほうが強くいきていけるんだろうなー今の時代。

ぶらあぼONLINEインタビューはこちら
ジャパン・アーツインタビューはこちら

ひとつめの記事に、歩きながらインタビューしたってありますけど、ちょっとここでどうでもいい思い出が。

夜遅く、ホテルのロビーについたとき、我々(ブルースくん、私、ジャパンアーツの女性)のほうに、向こうから大柄のポーランド人男性が近寄ってきたんですよ。何か大きな声で話しかけてきて、酔っ払ってるな…そう思った瞬間、何かされそうになったらブルースを背にまわして一歩前に出ようとしている自分がいましたね。あんた何様よって自分でつっこみましたけど、こんなところでとっさに出た、わたくしのクラヴマガ精神(自分、イスラエルの護身術習ってるんですよ。ご想像の通り、いつまでたってもめちゃくちゃ弱いんですけどね)。

しかしここでもしも襲いかかられて、私がショパンコンクールの優勝者を守ったとなったら、けっこう語り継がれますよね。
しかも優勝者の名前は、ブルース・リウ。ブルース・リーを守った女。いいな。

続いては、第2位のアレクサンダー・ガジェヴさん。

ぶらあぼONLINEインタビュー

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落ち着いた男的な雰囲気を出していますが、ときどき隠しきれないワチャワチャが出る青年。ちなみにコンクール後半からは、プロフィールなどにも出てくる「モスクワ音楽院で教えていたロシア人ピアニストの父」が付き添っていました。

はじめて横に立っていらっしゃるのを見たときは、おお、これが前々から話に聞いていたパパガジェヴ!と感動しましたね。やっぱりこう、むだにニコニコせず、むっすりと立っていて、そこはイタリア人じゃなくてやっぱりロシア人なんだなという感じ。でも打ち解けるとニコニコらしいです。仲良くなった人が言ってた。

ところでガジェヴくん、インタビューの最後、ところでそのヒゲはこのままいくの?と聞いたら、「コンクールで良い結果が出たら剃れってベルリンの先生に言われてるんだ。チェ・ゲバラみたいだからやめろっていうんだよ」って言ってました。
ずいぶんエレガントなチェ・ゲバラだこと。って言ったら、僕もそう思う、って言ってた。

そして同じく2位になった反田恭平さん。

ONTOMO YouTubeチャンネル

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(2次のあとの満足げな表情(左)と、ご本人涙が止まらぬとツイートしていた3次のあと(右)の表情の違いよ)

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(こちらは審査結果を待っていたとき、審査員が降りてくるのと反対の階段からひょっこり降りてきたと反田さん。この15分後、彼はショパンコンクール の2位になります)

ぶらあぼONLINEインタビュー

反田さんはよく会場に演奏を聴きに来たりしていたので、わりとときどきお目にかかれる機会があって。なんだか本当にアニメのキャラクターみたいな方だなと思いました。
上記のインタビューでも戦略の話をしていますが、これだけ戦略を立てられると、いろんな場面でそういう感じが気になりそうなものですが、なんか演奏がそれを上回るグイグイのパワーを持っている感じですね。

反田さんとは雑談もいろいろしましたけど、私的ハイライトは格闘技の話ができたことかな。いや、私もさほどくわしくないんですけど、ピアニストとこんな話をする日がくると思わなかったですよ。
ちなみにワジェンキ公園でスパーリングしようって申し込んだけど(もちろん当てないやつですよ)、さりげなくはぐらかされました。

…なんかこうして書いていたらどんどん長くなってしまったので、今日はとりあえずここまで。

他の入賞者のおまけの話は、また後日。

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