パペットショーどうでしょう


デリーでは今年も、学生時代にフィールドワークをしていたパフォーマーカーストのコロニーに顔を出してきました。相変わらずみんな元気そうでした。
(彼らについて紹介した過去の記事は、こちら

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こちらの中央のどっしりした男性が、コロニーの中で最も成功しているパフォーマー一座の長である、プーランさん。孫を両脇に抱えながら。

ピアノ雑誌の編集部時代、無謀にもインド特集を組んだとき、ピアニストの青柳晋さんを連れてこのスラムでパフォーマーと音楽的交流をしてもらったのですが、青柳さんが「京唄子師匠に似てるねぇ…」と言い出したので、プーランさんと話していると、ときどき唄子師匠のことが頭にちらつきます。
(そして、今改めてグーグルして見比べると、とくに似てないっていう…)

一家にリクエストされていたおみやげに加えて、子供が多いから日本のお菓子をと思って、この三角の小袋がたくさん入った柿の種のファミリーパック的なものを持っていったんです。
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すると彼ら、サモサだサモサだ!日本のサモサだ!とひとしきり盛り上がっていました。サモサっていうのは、こういう形の餃子風の皮にじゃがいものスパイス炒めが詰まった揚げ物です。形以外はまったく別物です。この人たち、三角紙パックの牛乳見ても、サモサだっていうのかな。

ところで彼らは数年前、デリーの政策で、もう60年も彼らが(勝手に占拠して)住んでいたスラムを立ち退くことを命じられ、700世帯ほど集まって住んでいたパフォーマーのカーストの家族たちは、何箇所かのキャンプにわかれて住むようになりました。キャンプといわれてどんな住環境なのか心配していましたが、むしろ衛生状態もよくなっていたし、警察署も隣にあって安全そう。本人たちも、クールな場所だぜと気に入っているようでした。

とはいえ、世界で一番有名なスラムと呼ばれた場所には、自然と世界のフェスティバルのオーガナイザーがスカウトに来ていて、それで仕事がなりたっていたのに、急に移動を余儀なくされたことでコンタクトが減り、一年ほどは仕事がなくて大変だったそうです。予期せぬいろんな問題が起こるもんだ。

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こちらは去年の写真から。結婚式開催ウィークだったので、みんな踊ってます。そのセンターで黙々とチャパティを焼く若奥さん。

 

彼らの伝統的なパフォーマンスは、この木製パペットでのショーなのですが、最近は仕掛けのある手の込んだ人形や、テレビからの仕事の依頼でセサミストリートのぬいぐるみを操ったりもします。

 

 

最近のホットな演目は、このビッグパペットによるショー。3メートルくらいあるでしょうか。ステージの横にスタンバっているだけで、子供はもちろん大人も集まってきてはしゃいでいました。

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(もし日本人の友達が一緒にいたら、じゃんがじゃんが的な…と言うところでしたが、残念ながらこのくだらない感想を分かち合える人は近くにいませんでした)

さて、わたくしが近年なんとか実現させようと思っている、このスラムでヴァイオリンなどの楽器を教えるプロジェクト(もともとパフォーマーなので、プラスワンのの技として取り入れて収入アップを狙う&天才発掘の企み)、実はヴァイオリンの先生を失って立ち往生中だったのですが、また新しいツテができて再スタートできそうです。

ちなみに先生が行かなかった期間、唄子師匠、一度子供達を集めて自分たちで弾いてみようと、私が置いてきたヴァイオリンを開けてチャレンジしてみたそうです。
「ギターとかは独学で弾く子も多いけど、やっぱりヴァイオリンは先生がいないとだめだね、3日で断念しちゃったー」
とのこと。むしろ3日も自分たちでやろうとしたことがすごい。

去年楽器を持っていった時も、いきなり見よう見まねで楽器を持って弾いてました。完全に初めて手にしたわりには、なんだかいい感じです。さすが。

さてこれからどんな展開になるか…新しい道を切り拓くために。がんばろう。