チャイコフスキー国際コンクール、オープニング・ガラ

久しぶりに訪れたモスクワ音楽院大ホールは、冷房が入り、快適になっていました。
8年前はまだ改修工事が完了していなくて、冷房がきかず、ステージ上がかわいそうなくらい暑くなってしまっていたんですよね。あのときは、オーケストラも上着を脱いで登場。出場者もすごく暑そうでしたが、ついにトリフォノフがカーテンコールの何回めかで上着を脱いでしまったことが思い出されます。

昨日はこの会場で、ゲルギエフ指揮、マリインスキー・オーケストラによるオープニング・ガラ・コンサートが行われました。わたくし、16時に空港について、大急ぎで19時開演のコンサートへ。着いて早々モスクワの路地裏を爆走し、ロシア人のアニキたちをビクッとして振り返らせるということをやらかしてしまいました。(背後から駆け寄ってきた強盗じゃないから安心してくれ…)

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プログラムはオール・チャイコフスキーで、「くるみ割り人形」の抜粋、前回コンクールグランプリのモンゴルのバリトン歌手、アリウンバートル・ガンバートルのソロによる「スペードの女王」から「あなたを愛しています」、そして、前々回のグランプリ、ダニール・トリフォノフのソロによる、ピアノ協奏曲第1番。

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トリフォノフは、昨年冬の来日ツアーがキャンセルされたので、聴くのはとても久しぶりでした。隣に座っていたとあるマネジメントのお方が、「高坂さんの記事に出てた、斜め掛けバッグしたまんま写ってた写真、8年前ですもんねー。なつかしい」とおっしゃっていましたが、本当にトリフォノフ氏、立派になりましたね。
大音量のオーケストラと重なる部分でもがっつり抑揚が聴かせられる音の通りはさすが。大胆な歌い回しも相変わらずで、おもしろかったです。ピアノはファツィオリ。

トリフォノフは2010年のショパンコンクールでファツィオリのピアノを弾いて3位入賞しましたが、翌年2011年のチャイコフスキーコンクールではスタインウェイを弾いていました。
思えば、ファツィオリがコンサートグランドの大幅なモデルチェンジをしたのは、その直後のこと。2014年のルービンシュタインコンクールでは、ものすごくパワーのあるピアノになっていました。あのコンクールを境に、パオロさん(社長)の中で、ロシアもののレパートリ、それもコンチェルトではえる音が鳴らせるピアノに…という想いが強まったものと思われます。
ちなみに、ルービンシュタインコンクール中に調律師さんに伺った話はこちらで読めます。

さて、話がそれましたが、ガラコンサートは大いに盛り上がって終演。
コンサートの様子はアーカイヴで聴くことができます。

そして翌日6月18日、いよいよ1次予選がスタートします。
初日から実力派揃いですが(というか、毎日そうですが)、日本でおなじみの面々は、2015年ショパンコンクールファイナリストのイーケ・トニー・ヤン君(今回はYang Yi Keの名前で登録されていますね)、ドミトリ・シシキン君あたりでしょうか。
ライヴ配信でも、アーカイヴ配信でも観られます。

ちなみに、エイベックスの方(mediciの日本語配信サイトをやっている)からいただいたチラシの情報によると、各日のライヴ配信スタートの日本時間は、こんな感じだそうです。
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(持ち歩いていたらクシャッとしてしまいましたすみません…)