まずはスタインウェイの出所について



今日はバックステージで、ファツィオリの方、スタインウェイの方、
イスラエルの“伝説の”調律師さんによるトークセッションが行われていました。
演奏のインターミッションの間にライブ配信されていたものの
アーカイヴがこちらで見られます。(1時間46分あたりから)

個々のピアニストのリクエストにいかに対応するかというテーマも出てきます。
こういうトークセッションは初めての企画だったらしいです。

さて、今日はまずこれまでのところ連日ステージに登場している
スタインウェイのピアノについての情報を。


今回のステージで使用されているスタインウェイのピアノは、
昨年2013年に製造された、新しいハンブルク・スタインウェイだそうです。
審査委員長のアリエ・ヴァルディさんが、
ご自身の門下生(日本人とイタリア人の生徒さん)を同伴して、
一緒に選定したとのこと。
実際の出場者に近い年代のピアニストの意見を聞こうという目的なんでしょうかね。

そのピアノを地元テル・アビブで一番大きなディーラーさんが購入。
今回はそのディーラーさんからの提供で使用しているとのこと。
そしてコンクール終了後には売られてゆくことが、ほぼ決まっているらしいです。
というのも、
「ピアニストが全力で弾いて、スタインウェイのトップ調律師が休憩のたびに調律する。
コンクール期間中これが何度も何度も繰り返され、
コンクールが終わるころにはこのピアノのコンディションは最高になっているはず!」
…だから、とのこと。
終わるころに最高の状態って! と心の中で軽くつっこみましたが、
もちろん今もすでにいい状態のものが、もっと良くなるということですからね!

このお話を聞かせてくれたのは、
上記のトークセッションで真ん中に座ってお話をしているゲリット・グラナーさん。
わからないことがあったらなんでも聞いて!僕の足のサイズでもなんでも教えるよ!
と言ってくれました。(デカそう)

グラナーさんはアーティストのケアを担当されていて、
どこのコンクールに行っても必ずお見かけします。
確か、2011年のチャイコフスキーコンクール某局のドキュメンタリー番組でも、
ロマノフスキーのリハーサル中のシーンの中で、
グラナーさんがロマさまと話している様子が放送されていました。
その時「ロマノフスキーさんが、ファンの男性から話しかけられています」みたいな
微妙なナレーションが流れていて、
リハの邪魔をしてアドバイスするファンの人みたいな扱いをうけているグラナーさんに
ちょっとウケた記憶が。

さて、今のところまだファツィオリのピアノは登場していませんね。
どうやら選んだコンテスタントが最後の2日あたりに集中しているようで。
今しばらく、登場を楽しみに待ちましょう!