10月14日から、コンクールはセミファイナルに突入します。
43名のうち、20名のコンテスタントが次のステージに進みます。
12日夜の結果発表もまた、予定時刻からそう遅れることなく始まりました。
すごく待たされるとみんな緊張疲れして、いざ発表の時にはもうグッタリみたいなことになってしまうわけですが、最近は集計もコンピューター化され、基本的に話し合いもなしということで、わりとアッサリ結果が出ます。
昔は結果発表というと、拍手の中、全審査員がゾロゾロ下りてきて、宝塚の大階段みたいだなと思ったこともありましたが(先生方の足取りはだいぶ重めですけど)、今回は1次は事務局の人のみ、2次は事務局の人+ズィドロン審査委員長という形で、コンパクトにおこなわれています。前回もそうだったけな。もう記憶が定かでない。
第2次予選、何か魔物が降臨しているのではというほど、らしくないミスをしたり、なんとなく調子悪そうに弾いたりしているピアニストが多かったように思います。でも結果を見てみると、審査員たちは音楽性を見ていて、そんな細かい(そしてときにはでっかい)ミスは気にしていないんだなということがわかります。とはいえ、それがメンタルの弱さや注意力の低さに由来している感じがすると、問題になるのでしょうが。
結果発表後の様子から。
ポーランドメディアの取材を受ける小林愛実さん。
第2次は、演奏後に調子が出なかったと言っていましたが、見事通過。日本人唯一のセミファイナリストとなりました。結果が発表される直前、彼女の姿を見かけたのでいつもの調子でやっほ~と声をかけようとしたら、ステージ外ではいつもパカッと明るい感じのはずの愛実さんが超こわばった表情で立っていたので、びっくりしすぎて声がかけられませんでした。
緊張してたんだろうな。
歓喜の抱擁!
手前のおばさま二人の大喜びっぷりに目がいきがちですが、その後ろでおじさんと抱き合うオレンジ色のフードの後頭部は、カナダのYIKE YANG君のものです。
こちらはカメラに狙われるアムランとタルタコフスキーの後ろ姿。
ステージが進むにつれ発表後のプレスの気合いもすごくなっていきます。
喜びの瞬間をおさえるため、カメラマンはもうすぐ名前が呼ばれるかもしれない有力なコンテスタントの前に、あらかじめ張って待っています。それも、ものすごい至近距離で(人が多くてスペースがないため)。
関係ないこっちは、そんな素敵な瞬間にアホ面で写り込むことがないように、必死です。
配信を聴いた方はお気づきかと思いますが、タルタコフスキーさんはワルツOp.34-1の冒頭で、何かを飲んでいる最中に聴いていたら大惨事になるレベルのミスなどをしてしまいました。でもこうして無事通過したので、音楽性さえ確かと評価されていれば、少なくとも第2次予選では、そういうミスは結果に影響しなかったということのようです。
私としては、通ってほしいなと思っていた一部のコンテスタントは残りませんでした。でも彼らの演奏を聴くことができたのは、こうして1次からコンクールを聴いていたからにほかならないと。最後に入賞者ガラコンサートを聴いただけでは、彼らの演奏には出会えなかったわけですからね。まだ聴いていない演奏があるみなさまも、なんとなく気になる人がいたらぜひアーカイヴをチェックしてくださいませ。
審査員の中でも意見がかなり割れているという噂なので(まあ、この通過メンバーを見ればうっすらわかる気もしますが)、この後どんな展開を見せるのでしょうか。
セミファイナルでもおもしろい演奏が聴けそうなことだけは、確かです。
第2次予選に進むことの決まったコンテスタントは、以下の通り。
演奏日程はこちらからご覧いただけます。
Mr Luigi Carroccia (Italy)
Ms Galina Chistiakova (Russia)
Mr Seong-Jin Cho (South Korea)
Mr Chi Ho Han (South Korea)
Mr Aljoša Jurinić (Croatia)
Ms Su Yeon Kim (South Korea)
Ms Dinara Klinton (Ukraine)
Ms Aimi Kobayashi (Japan)
Mr Marek Kozák (Czech Republic)
Mr Łukasz Krupiński (Poland)
Mr Krzysztof Książek (Poland)
Ms Kate Liu (United States)
Mr Eric Lu (United States)
Mr Szymon Nehring (Poland)
Mr Georgijs Osokins (Latvia)
Mr Charles Richard-Hamelin (Canada)
Mr Dmitry Shishkin (Russia)
Mr Alexei Tartakovsky (United States)
Mr Zi Xu (China)
Mr Yike (Tony) Yang (Canada)