せんくら、そしてホロデンコ


仙台クラシックフェスティバル、行ってきました。
今回は、出演者のうち仙台コンクールの過去の入賞者のインタビューを主に行い、
合間の時間にいろいろな公演を聴くという、1泊2日の旅。
10月3日(金)、4日(土)、5日(日)の後半二日間を聴きました。
せんくら、かなり以前に行ったことがありましたが、そのときは日帰りで、取材の公演をいくつか聴いてバタバタ帰ってくるというものでした。なので、今回は初めてまともにせんくらを堪能した感じです。
今年でもう第9回目の開催だったんですね。震災の年も乗り越え、ここまで続けてくるのはきっと大変なことだっただろうと思います。

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メイン会場となる青年文化センターがある旭ヶ丘駅を下車すると、改札の前にピアノがどすんとありました。無料コンサートのために設置されたものです。今や、びっくりする場所での街中コンサートは珍しくありませんが、改札の前にピアノを持ってきちゃうところに、仙台の本気度を感じます。ピアノは一日ごとに(当然かもしれませんが)ちゃんと撤収して再設置していました。

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もうひとつの大きな会場である、イズミティ21では、ひこにゃん…ではなく、「むすび丸」が活躍していました。
(前回仙台に来たとき、あれ、ひこにゃんて仙台だっけ?と思ってよく見たら別のキャラクターだということに気づいて一度学んだはずだったんですが、今回も彼を見た瞬間、「あーひこにゃんだ!」と心の中で一度呼びかけてしまいました。よく見るとけっこう違うんですけどね)
かぶとをかぶったかわいらしいおむすびが、子供たちと写真を撮ったり、ティッシュを配ったりしていました。趣味は温泉めぐりと昼寝だそうです。

肝心のコンサートですが、せんくらならでは、せんくらだからこそ実現するかなり興味深い公演がたくさんあります。
「慶長遣欧使節スペイン到着400年記念」スペイン名曲コンサート、というのがあって(彼らは伊達政宗の命で宮城から出発したらしい)、ここではヴァイオリンの西江辰郎さんとギターの福田進一さんの共演によるファリャという、激レアで大変すばらしい演奏も聴くことができました。
チェロの山崎信子さんと津田裕也さんの公演も、すばらしかった。
仲道郁代さん、横山幸雄さん、舘野泉さんという3人が立て続けに出てくるコンサートもありました。一つのピアノでこの三人がかわるがわる弾くのを聴き比べるというのは、かなり興味深い経験でした。
もちろん、ホロデンコの演奏も聴きました。彼の演奏についてはプログラムによって、うわ!すごくいい!と思ったり、すごいと思うけどいまいちピンと来なかったりするのですが(ごめんね…個人的な趣味です)、今回も、やはり紛れもなくすばらしく変わったピアニストだなと思いました。私は普段、あんまり鍵盤の手元が見える席に座ることに関心がないのですが、この方に関してはその多彩な音色を出すためにびっくりするような手つきで弾いていることが多いので、だいぶ関心があります。
インタビューのアポイントの都合で聴くことができなかった公演もたくさんあるのですが、他にもいい公演がたっくさん。そしてどの公演も1000~2000円。

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完売の公演が多数でしたが、意外と(わたくし的に)いい公演のチケットが残っていることもあって、いろいろ考えるものがありました。
例えばホロデンコについても、土曜日250席のベートーヴェンのソナタ公演が完売していなくて、翌日曜日、400席のショパンは完売していたという。ホロデンコ、クライバーン優勝以降、初めての仙台訪問ですよ! しかもベートーヴェンとか弾いちゃったんですよ! 曜日や時間帯の問題もあるのでしょうが、とにかく、市場の動向を読むのはとても難しいことなのだなと、妙に考えてしまいました。
ちなみに聞くところによると、あっという間に完売したのは、約800席の中村紘子さんの2公演だったとか。しかもどちらも平日昼間の公演。さすがです。それに、中村さんは今回がせんくら初登場、たった1500円で聴けたんだもんね。それはみんな行きたいに決まってます!

さて、今回ホロデンコには、インタビューでたっぷりお話を聞いてきました。つっこんだ末の本音ポロリがとても興味深く、コンクールというものの公式サイトでどこまで書けるかはわかりませんが、できる限りご紹介できたらなあと思います。怒られない範囲で、ぐいぐい切り込んでいこうと思います。アップされたら、またご紹介します。