ニコライ・ホジャイノフと茶畑


8月ですね。
この暑い季節に再び、ニコライ・ホジャイノフがやってきます。
今年2度目の来日。(しかも、今年はさらにあと2回来ます)

今回、ひとつ目の公演は読響サマーフェスティバル。
気鋭のソリストが登場して、
ヴァイオリン、チェロ、ピアノの有名協奏曲が演奏されるというもの。

2014年8月20日(水) 18:30 サントリーホール
指揮=円光寺雅彦
ヴァイオリン=弓 新
チェロ=辻本玲
ピアノ=ニコライ・ホジャイノフ

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23


(それにしても、この真ん中にニコライさんどーんのチラシ、何度見ても面白い…)

ホジャイノフが、あの、ペタッと丸い指先でわしわしと掴んで奏でるチャイコフスキー。
チラシのとおり、クールにキメてくれるでしょうか。
厳しさと甘い美しさが入り乱れた演奏になるのかな~。
それにしても、ピアノ協奏曲の代表作というと、
チャイコフスキーの1番になるんですね。ふむふむ。

一方のリサイタルは、昨年夏と同様、浜離宮朝日ホール。
ホジャイノフの、とにかくこだわって、しつこくこだわりぬいて鳴らすピアニシモ、
そして、密度の濃い重い音が、くっきり存分に堪能できる会場です。

2014年8月25日(月) 19時 浜離宮朝日ホール
シューマン:アラベスク ハ長調 Op.18
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6
(ピアノのための18の性格的小品)
リスト: 村の居酒屋での踊り(メフィスト・ワルツ第1番)
ショパン:子守歌 変ニ長調 Op.57
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58

こちらのプログラムについては、
ぶらあぼジャパン・アーツサイトにインタビュー原稿を寄稿しました。
今回、まずはやっぱりシューマンが楽しみですね。
ご本人はインタビューの中で「幻想と現実の境目」なんていう表現をしていますが、
そういうあやうい世界を描かせたら、この方は天下一品なのではないかと思います。
ほら、もともとちょっと不思議な精神世界を生きている感のある人なもんでね…。
ショパンのソナタ3番についても、インタビューにある作品についての解釈を読むと、
どんな演奏になるのかとても気になります。
男らしくカッチリしたラインでせめてくるのでしょうか。
そう言いながら、シラッとものすごくファンタジーな路線でくる可能性も。
予測のつかない男ニコライさんですから、実際聴いてみるまでわかりません。

ところで、すでにご覧の方もいらっしゃると思いますが、
こちらのニコライさんの日本語によるロングメッセージ動画、
驚いた方も多いのではないでしょうか。
以前からちょこちょこ謎の日本語を口走ってドッキリさせてくることがありましたが、
ついにこれだけのロングな台詞を諳んじるレベルにまで達したようです。
日本の文学もせっせと読んでいる模様で、
(例によって古いやつを。さすがに原語では読んでいないようですが)
そのうち「伊勢物語」とかぺろぺろ暗記で語り出すかもしれません…。

もうひとつ、ニコライさんが最近どうやら凝っているらしいものは、お茶です。
日本茶についてものすごい難しい質問をされて、本当に困ります。
中国茶にはもともと詳しいようで、以前の来日時、
練習の後に中国茶の店に行きたいと騒ぎ出し、近くのお店に行ってみると、
漢字の羅列されたいろいろなお茶の名前をひとしきり眺め、これ、と選ぶ。
店員さんが「こちらをお選びになるだなんて…ツウですね…」と驚く顔を見て、ニンマリ。
興味関心の広がる方向が、想像を超えています。
この前は、日本で茶畑に行ってみたいんだけど見学できる場所はないか聞かれました。
見学して一体何をするつもりなのかはよくわかりませんが、そのくらい、好きみたいです。

さて。
今のところ、秋の公演は東京以外の場所ばかりのようなので、
首都圏にお住まいでニコライさんの演奏が気になる方は、お早めにどうぞ!
どちらの公演も残席が少なくなっているようです。
それと、どなたか茶畑オーナーの方がいらしたら、ご一報ください…。