如水コンサート企画が2020年のベートーヴェン・イヤーに向けて、
なんとも気が早いことに、もう4年も前からやっているベートーヴェン・シリーズ。
今度の6月12日(日)の公演には、小菅優さんが登場します。
ベートーヴェン生誕250年(2020)プロジェクト Vol.5
『小菅 優の“ベートーヴェン詣”』
2016年6月12日(日) 14:00 開演 (開場 13:30)
会場:一橋大学兼松講堂
ベートーヴェン:
ピアノ四重奏曲 ニ長調WoO.36-2
ピアノ・ソナタ第17番ニ短調OP.31-2「テンペスト」
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 OP.2-1
ピアノ四重奏曲 ハ長調WoO.36-3
共演: 川久保賜紀(ヴァイ オリン)、川本嘉子(ヴィオラ)、趙 静(チェロ)
先にベートーヴェンのソナタ全曲演奏シリーズを終えた小菅さん。
さてと、それじゃあ次に…とどこかに行ってしまうのではなく、
他の作曲家と並行して、引き続きベートーヴェンには取り組んでいきたいとのこと。
“優さまベートーヴェン好き”的には、よかったよかった!という気分ですよね。
この公演によせて、このまえインタビューをした記事が、
如水コンサート企画のサイトにアップされています。
ソナタ1番を勉強した6年まえから、2楽章に同じメロディが出てくる
ハ長調のピアノ四重奏曲とあわせて演奏してみたいとずっと思っていたとのこと。
小菅さん念願のプログラムということで、
これは、優さまファンは全員兼松講堂に集結するしかありません。
しかも共演者も超豪華です。
「ハ長調のピアノ四重奏曲は、メロディというより全体のストーリーがすごい。
ロンドとか楽しい感じで、みんなでお酒飲んでいるような雰囲気。
それぞれの楽器の持ち味、違う音色の対話を楽しんでほしい」とのことです。
女4人、ステージ上での公開宴会をのぞき見する感じになるのでしょうか!ドキドキ。
ところでこのインタビューをするにあたって
過去の記事や用意してもらった資料などを読んでいて気になったのが、
今年3月8日日経新聞夕刊掲載の、ご両親についてのインタビュー。
タイトルは、「届いた父の変顔ファクス」。
10歳でドイツに渡った小菅さんとお母さんに、
一人日本に残っていたお父さんがときどき、
変な顔の写真を撮ってファクスで送ってきていたという話です。
(いや、他にももっといろんな素敵なエピソードが出てくるのですが)
この中で小菅さんはお父さんについて、
“頑固”、“意見がはっきりしている”、“ユーモアがあるところも尊敬している”と語っています。
…これって小菅さんが前にベートーヴェンがどんな人だと思うかについて言っていたのと
ソックリ!これはもしかして!
(↓以下、小菅さんに半ばあきれられながらのやりとり)
———-
私 「思ったんですけど、小菅さんのお父さんて、ベートヴェンみたいな人なんですか?」
小菅さん 「ははははは! 同じくらいひねくれてるのかな。
そうならけっこうやばいですよね。もうちょっと普通の人だと思いますけど。
すごく自分のある人だとは思います。ベートーヴェンに似てるか意識したことなかったけど」
私 「恋人には父親の雰囲気を求める人もいるっていうじゃないですか。
それと同じで、小菅さんはお父さんの影響でベートーヴェンが好きになっているとか?」
小菅さん 「無意識にそうなんですかね。やだ!(笑)
でも確かにそういわれてみると、どちらかというとベートーヴェンかもしれません。
ベートーヴェンて毎日コーヒーの豆の粒を数えて飲んでいたっていうじゃないですか。
私の父も、これはこうじゃないといけないって、けっこうこだわるかも。
料理も好きで、こだわって何時間も出汁をとったりしてる。
ベートーヴェンって本当に指示が細かいんですよね。もちろん全部に意味があるんですけど。あ、なんか愚痴言ってるみたいになってきましたけど」
——-
…ということだそうです。
もし小菅さんのお父さんがモーツァルトみたいな人だったら、
今頃小菅さんは、「モーツァルト詣で」してたかもねぇ。
でもモーツァルトみたいなお父さんって、ちょっとどうなんだろう…。
(そもそも人にこれだけ詰めよっておいて、
実際自分の父親が作曲家なら誰似かだなんて聞かれたら、困るよなと思った)
さて、話はかなり脱線しましたが。
初夏のくにたち兼松講堂、緑も濃くて、大学構内を散歩すると気持ちいいと思います。
「みなさんにベートーヴェンのメッセージを伝えられるということは幸せなこと」と小菅さん。
小菅さんのベートーヴェンとともに、素敵な日曜日の午後を過ごせそう。
晴れるといいですね。どうぞお楽しみに。