ニコライ・ホジャイノフ新春メッセージ2016


今年は出さないのかな、と思っていたら、届きました。
というわけで、なぜか毎年恒例となった、
ニコライ・ホジャイノフさんから日本のファンのみなさんへ、
新年の挨拶のメッセージをお預かりしましたのでご紹介します。

Dearest Japanese Fans,

I am sure that a storm might break out and a strong wind might blow but there is no force in the world that could stop our musical communication. It will continue in the new year, since these concerts fill up emotionally both of us. I am always happily looking forward to our meetings. You, my fans, with your attention, coming to my concerts, express your love to me, and this is very precious for me. In Japan I play not for just listeners but for people who are close to me.
I wish all my fans to have a good health first of all and to have only pleasant events in the new year, that everything negative would happen rarely and would seem like a warm summer rain and would be quickly forgotten. And also I wish you to have bright events in abundance in the next year.

Love,
Nikolay Khozyainov

例によってざっくりと内容を訳しますと……

人生において嵐が起きることはあっても、
音楽によるコミュニケーションを妨げることができる力などはなく、
新しい年も、コンサートが私たち両方の感情を満たしてくれるだろうということ。
ファンの方々が演奏会に来て愛情を示してくれることが自分にとってとても大切で、
日本でのコンサートでは、会場のお客さんはじめ
自分に近い方々のためにも演奏したいということ。
ファンの皆さんの健康と幸せを祈っているということ。
そして、ごくまれにネガティブなことが起きても、
それはあたたかい夏の雨のように、すぐに忘れることができ、
また次の年に実りある輝かしい出来事があることも祈っている。

…というようなことが書いてあります。
辛い出来事も夏のあたたかい雨である。それが実りにつながるように。
なるほど……。

ニコライさん、次の来日公演は今年11月が予定されています。
今発表されているものでは、いずみホール(大阪)でのリサイタル、彩の国さいたま芸術劇場でのリサイタル、それから札幌交響楽団の定期演奏会があるようです。
今度札響定期で共演する指揮者は飯守さんのほうのイイモリさんということで、
10歳にしてワーグナーの祝祭劇に憧れてプロメテウスを題材にしたオペラを書いてみようとしたというニコライさん(さすがに序曲なかばで断念したらしいけど)、飯守さんとワーグナー話で盛り上がったりするのでしょうか。

ところで、昨年モスクワ音楽院を卒業したニコライさん。
昨年秋からハノーファー音楽大学のアリエ・ヴァルディ教授クラスで勉強することになったとのこと。これを聞いて、私はけっこうびっくりしました。
あまりにもびっくりしたので、どうしてモスクワ音楽院を離れてハノーファーで勉強することになったのか質問をしてみたら、回答が来て、さらには日本のみなさんに紹介して良いとのこと。
なので、簡単にご紹介すると……

モスクワ音楽院はすばらしい学校だし、ピアノ演奏と個性を磨き、知識を豊かにすることができる場所だった。ただ、もともとヴォスクレセンスキー教授のクラスに在籍となってはいたけれど、実質的な指導を受けていたのはアレクサンドル・ストルコフ(Alexander Strukov)教授だった。ストルコフ先生はすばらしい教師であり、音楽家で、実を言うと、2010年のショパンコンクールもストルコフ先生の指導のもとで準備をしていた。
10月からハノーファー音楽大学に入って、ヴァルディ教授のレッスンを受けている。とても刺激的で楽しい。毎レッスン充実していて発見がある。

……ということでした。いろいろ考えがあって、新しい学びの場を選んだようです。
しかも、どうもヴァルディ先生のレッスンがかなり充実しているらしい!
環境が変わり、これからまた、音楽に大きな変化があるのでしょうね。
次の来日公演、リサイタルの詳細情報はまだ発表されていないようですが、いろいろ楽しみです。