エフゲニ・ボジャノフのインタビュー


ヤマハPianist Lounge、ボジャノフのインタビューがアップされました。
この春、3年ぶりの来日時に取材したものです。
(佐渡さん指揮兵芸との全国ツアー、LFJの公演に出演)
良く考えると、対面してまともにインタビューをするのはかなり久しぶりでした。
写真もなかなかワイルドな感じでおもしろいので、ぜひご覧ください。

話を聞くと、やっぱりこの方の思考回路はスゴいなと思うわけですが、
(頭いいんだか、ちょとおかしいんだか、でもまあやっぱり頭いいのね、という)
前から謎に思っていた、
本番近くでも好んで電子ピアノで練習することの理由についても
今回のインタビューでは聞いています。
そこには彼なりの合理的な理由があったのでした。
あるピアニストさんが以前、
練習中は不完全な音楽を自分に聴かせているわけだから
練習時間は短ければ短いほどいい、と言っていたけど、
似た発想から全く違うところに着地したパターンですね。

ヤマハのサイトには初登場だったので、改めて幼少期の話なども聞いています。
全然合う先生がいなくて次々と違う先生についたというくだりでは
「でもこの時の経験が良い人間と悪い人間を判断する能力を養った」、ですって!
(ボジャノフの記事を初めて読む方から勘違いされるとなんかなーと思って
Pianist Loungeには書かないでおきましたけど)
相変わらずの強気発言。しびれますね。
いや、あなたがちょっと大変な子供だったのでは…と心の中でつっこみましたが、
もちろん言いませんでした。
(ところで当サイトの記事を読んでいる方の多くは
ボジャ氏のキャラを理解されているという前提で、いろいろ書いています。
一応お伝えしておくと、彼は多少言うことが乱暴なときもありますが、良い方です)

もうひとつ、Pianist Loungeでは書かないでおいた、
しびれる回答を紹介しましょう。
以前、雑談の中で尋ねたことがあったのですが、
改めてオフィシャルなインタビューで聞いてみたくて、この質問をしてみました。
演奏家というのは、批評などでもとにかくいろいろなことを言われると思うけど
(特に彼のような個性的演奏の場合はしょっちゅうでしょう…)
どうやって乗り越えている?という。

「君は、評論家からここが悪いと言われたからって、
自分の演奏を変えている良い演奏家を誰か知っているか?
俺は知らない。そんなもの乗り越える必要すらない」

…しびれますねー。

いや、本当は気にしたり一人怒っているときとかもあると思うんですけど、
期待を裏切らないこの自信満々発言にしびれました。

 

ところで記事の中でも紹介されている、かの有名なマイピアノ椅子ですが、
今回、新調されていました。
なんとファツィオリ社製だそうです。
さすが、なんでもつくっちゃうパオロ社長。

IMG_20150610_155817

座面の裏に4本の脚が収納できて、
ピッタリサイズの鞄でそのまま運べるようになっています。
へーすごいね、写真撮らせてといったら、
ボジャ氏はその様子を穏やかなドヤ顔で眺めていました。

今回の来日中、ソロリサイタルはLFJの1公演のみでしたが、
相変わらず濃厚な音楽で心をわしづかみ。クセになる音楽健在でした。
次の来日も楽しみです。いつかなー?