横山幸雄のファンタジ~


このところ大がかりな仕事に取りかかっていましたが、
ようやく最初の山場を越えました。
今朝は久しぶりに、起きた瞬間ベッドの中で
「あ、あの部分こう書こう」と思いそのままパソコンに直行する、ということなく、
人間らしい目覚めを迎えました。おもしろかったけど大変だったなー。

というわけで、久しぶりに記事を更新しようと思います。
先日ある案件のことで横山幸雄さんのお話を聞く機会があり、
そのついで(といってはなんですが)で、今度の9月23日の演奏会について、
ちょっとどんな感じになりそうなのか、尋ねてみました。
相変わらずすごいロングな演奏会です。
10:30開演、16:20終演予定。お腹いっぱいの予感。

2017年9月23日(土・祝) 10:30
東京オペラシティ コンサートホール
《第1部 10:30開演》
ピアノ・ソナタ第13番、第14番嬰「月光」、第15番「田園」
《第2部 11:50開演》
7つのバガテル Op. 33、2つの前奏曲 Op. 39
ピアノ・ソナタ第16番
《第3部 13:30開演》
ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」、第18番
《第4部 14:30開演》
バッハ:半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV. 903
モーツァルト:幻想曲ニ短調 K. 397
ショパン:「幻想即興曲」、幻想曲、「幻想ポロネーズ」
《第5部 15:40開演》
シューマン:幻想曲ハ長調 Op. 17

午前中から月光聴くとどんな心境になるのか、興味津々です。
この長丁場のラストにシューマンのファンタジーというのも、
最後いい感じにぶっ飛ぶことができそうでワクワク。
そしておそらくまた持ち込みのニューヨーク・スタインウェイなのでしょうけれど、
一人の人が弾く長丁場ならではの音の変化が感じられて、本当に興味深いですよ。

さて、まずは横山さんに、どんな気分のプログラムなんですか?という
異常にざっくりした質問を投げかけてみました。

すると横山氏、
「今回はベートーヴェンがハイリゲンシュタットの遺書を書いたあたりなんだよね。
いろいろなものを乗り越えるあたりを聴いてほしい。
そして一緒に乗り越えてほしい。
…まあ、僕は乗り越えられずに、そこでもがいてるけどね、アハハ!」

……。
不覚にもナイスな突っ込みが思い浮かばず、
もがく横山氏とそれを見守る聴衆というシュールな図を想像して、
何とも言えない気分になってしまいました。

そして後半のテーマはファンタジー。
今年は1月の演奏会でもファンタジーや即興曲をテーマにしていたし、
新譜もファンタジーがテーマ。
2017年はファンタジーが横山さん的に流行ってるのかなと思い、
最近ファンタジー気分ってことですか?と尋ねると、

「いや、ぜんぜん。僕、あんまりそういう人じゃないから」(キッパリ)

と言われました。
……「そういう人じゃない」ってなんなの。(とはいえ、わかる気もする…)

一足先に9月20日発売の新譜のサンプル盤を聴いていますが、
そうはいっても、演奏はしっかりファンタジ~な感じです。
シューマン、見事に夢見てさまよってます。優しい。意外な感じ。
さすが、理論派のぬいぐるみをかぶった感覚派!(いい意味で)
71MGvLakxML._SL1500_

リサイタルは今週末。みなさまぜひどうぞ。